28歳 京都 会社員

 

父の会社に勤めていた彼女との出会い

 

僕と彼女が出会ったのは、ちょうど僕が父の会社に入社した4年前です。彼女は会社の受付嬢として父の会社に入社してきました。部署が違いますが、同期というやつです。

僕は彼女に一目ぼれでした。毎朝、受付に座る彼女に挨拶するのが楽しみでした。ある時、勇気を出して彼女を食事に誘い、告白をしました。そして、彼女と付き合うことになったのです。

 

彼女は美人で気のきく女性だったので、女性からも男性からも人気があり、毎日仕事が楽しそうでした。一方僕はといえば、何もしなくてもゆくゆくは社長になる見ですし、特に目標もなく、趣味などの遊びに時間を費やしていました。

 

そんな僕の様子を心配し、入社してすぐに父は僕を子会社に移動させました。配属先での仕事は営業でした。今までの生活とは一変し、帰宅も遅く、休日出勤もありました。徐々に彼女と会う時間が減っていきました。たまに彼女と会っても、彼女は仕事の話ばかりでした。キラキラと仕事の話を楽しそうに話す彼女はとて充実しているように感じました。

 

プロポーズを断られてから仕事に没頭

 

子会社に移動して1年が経った頃、僕は彼女にプロポーズしました。早く父の会社に戻りたかったのもありますし、彼女も十分社会人生活を楽しんだろうと思ったからです。将来、社長夫人になる彼女はそんなに仕事を頑張る必要はないと思っていました。

そんな僕の心情を読みとった彼女は、僕に厳しい言葉を付きつけました。「今、あなたがすべきことは私との結婚ではないはず。何も目標もない社長のもとで働く社員さんは可愛そう。」と言われました。自分に自信が無くなっていた僕は、彼女の言葉に逆上してしまいました。そして、一方的に別れを切り出してしまったのです

 

それ以降、連絡を一切取らなくなりました。当時の僕は、彼女と父を心の中で責めていました。仕事がきつくなったり、彼女と別れてしまったのは、全て2人が悪いと思いこもうとしました。しかし、本当は自分自身の問題だと気づいていました。そこから僕は心を入れ替え、真面目に仕事をするようになりました。

仕事に没頭した2年間でした。必死で頑張った僕は、昇進し部下を持つようになりました。そして父の紹介で様々な経営者と話をする機会があり、優れた経営者とはどういう人なのか、何となくではありますが分かるようになってきました。

 

昇進し彼女との再会そして復縁

 

父にようやく認められた僕は、父の会社に戻りました。そして、彼女と再開しました。言葉を交わすことはありませんでしたが、僕の仕事をする様子や表情を見て、変わったのだと彼女も感じたようです。ある夕方、仕事をしている時に声を掛けられました。彼女と話をしたのは久しぶりで、とても懐かしく感じ、そしてお互いがまだ相手に気持ちがあるのことが分かりました。

 

それからは、定期的に食事に行くようになり、現在は結婚を前提にお付き合いをしています。相変わらず彼女は仕事を楽しんでいますし、僕も次期社長として、社員の方々に認められるように日々努力しています。

とても充実した毎日を過ごしています。

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